理容室 ロットヘアー

■クライアント:ロットヘアー
■業種:理容室
■計画地:北海道旭川市
■基本実施設計・造形計画:
シュタクデザインラブ
■施工:株式会社芦野組
■Special Thanks
:株式会社オーシャン 谷川春香(紹介)
:五十嵐延宜(造形テクニカルディレクション)
:松本規(スチールアートワーク)
:株式会社札幌ファニチャー(家具)
:株式会社ノグチ工芸 (サイン計画・施工)
:タカラベルモント株式会社 (美容機器)

北海道の中央部に位置するまち、旭川市。
その旭川で緑多い住宅地の真ん中に、常連が足繁く通う人気店『ロットヘアー』がある。
知人の紹介でオーナーである山田様にお会いし、改装のイメージをお聞きし、プロジェクトがスタートしたが、改装の希望を聞きながら、各部にかけられる予算配分が重要になると考えた。
こだわりを強く表現する部分、一方で現状を活かせる場所はなるべく手をつけない事で最大限のコストパフォーマンスを生み出す必要があった。
具体的には、オーナーからの希望であった外観のレンガ張り、ネオン管を使用したサイン、内装床ヘリンボーンのフローリングを中心に、空間構成を行った。
外観のレンガタイルは、普通に張ると短調になるため、職人に一度張ってもらったものを、造形アーティストの五十嵐氏が一度はずし、再設置する事で微妙な不陸を生み出し、経年で出来た様な歪みを生み出した。
そのレンガの陰影を出すために設置した間接照明は、通常の器具を使用すると予算がかなり膨らむため、イルミネーション用のライトを利用した。
ロゴのネオン管には理容室であることを表すバリカンを合わせたが、当初予算の都合から平面的な物を想定していたが、スチールアーティストである松本氏のこだわりと好意で、本物をそのままスケールアップした“リアルバリカン”が完成し、まさしくお店の顔となった。
内装は味があるウォールナットの無垢フローリングを選定し、その質感に負けない壁をと考え、こちらも外観と同様にタイル職人と五十嵐氏が共演し、レンガの上に塗られた漆喰が剥がれ落ちた様な力強く、アーティスティックなセット面の壁が完成した。
その壁に沿って鉄管を配置し、電線などを隠蔽するとともに、セット面を照らす照明を配置した。
その様なこだわりを随所にちりばめながら、外観の上半分は既存のままにし、内部もセット面の位置は移動せず、設備工事が発生しない事で他のコストを抑えた。
新築、改装を問わず、どの案件でも決められた予算があり、それをどこにどの様に使うかが仕上がりに大きく関わってくる。
デザイナーは、施主の希望を聞きつつ、そのプロジェクトをどの様に進めていくか関係各社と相談しながらタクトを振っていくが、考え抜いた案を信頼し、任せて下さるオーナーの信頼が不可欠である。
その様なことから終始全幅の信頼を持って、プロジェクトを任せて下さった山田様に心から感謝したい。
また、一緒に現場に入り、モルタルだらけになりながら、素晴らしい壁を作ってくれた五十嵐氏の存在がとても大きかった。
加えて予算度返しで巨大なリアルバリカンを製作してくれた松本氏にも感謝でならない。
そして、全ての施工と五十嵐氏とのアートワークや私より紹介した関係各社と連携を取り、改装を完成させて下さった芦野組の芦野専務にも最大限の感謝を示したい。
こだわり満点な“ロッカー”山田オーナーのお店として、良いお店に仕上がったと思う。

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